さつまいもの苗はゴールデンウイーク明けあたりから植え付けがはじまるので、4月の終わりくらいからホームセンターに苗が並ぶようになります。
さつまいもの場合は苗というよりも蔓(ツル)ですね。
このさつまいもの苗は前年収穫した芋から作ることもできますし、買ってきた芋から作ることもできます。
そこで今回は芽が出たさつまいもから苗を作る方法を紹介します。
さつまいもの苗は芽を伸ばして作る
さつまいもの苗はいつもツルの部分だけを売っているのでどんな状態で作っているのか想像しにくい気がします。
さつまいもの苗を植えるとこんな感じで葉が茂ってきます。
収穫期になるとツルは伸びて葉はもっとはびこっていて、土の中には芋ができています。
つまり、さつまいもの苗はこの伸びたツルをカットしたものになります。
- さつまいものツルを植える
- 成長してツルの先の土の中に芋ができる
- 伸びたツルをカットして植えればまた芋ができる
私たちは普段、伸びたツルをカットしたものを苗として購入して畑に植え付けているだけなので、さつまいもの芽を伸ばしてカットできる長さまでツルを育てれば立派な苗になるワケですね。
ちょっと考えればわかるんですが、何気なく栽培していると見落としてしまいますね。
収穫したさつまいもや購入したさつまいもを芽出しする
さっそくさつまいもの苗づくりを紹介していきます。
こちらは保存していたさつまいもですが、秋に収穫してから2ヶ月ほど経過しているので芋のはじっこの部分から芽が出ています。
一緒に種イモになるか怪しいじゃがいもも映っていますね。
この芽が出た部分をカットして土に植えるだけで次第に成長して立派な苗に育ってくれます。
ちなみに、さつまいもはマメ科のように窒素固定菌が肥料分の窒素を供給してくれるので芋全体を苗づくりに使う必要はありません。
芋に蓄えた栄養分を使って芽を成長させるわけではないということだね!
芽の出ていない大部分のお芋は美味しくいただいてOKね!
芽出し前に熱湯消毒しておくとベター
さつまいもは糸状のカビの一種が原因で黒斑病という芋が黒くなってしまう病気があります。
種イモがこの黒斑病や黒あざ病の菌を持っているとせっかく作った苗にも伝染してしまうので温湯につけて消毒しておきましょう。
- 黒斑病:47~48℃,40分 ※苗の場合は15分
- 黒あざ病:47~48℃,40分 ※苗の場合は15分
ソースはこちらです。
種イモの段階で消毒を忘れてしまっても苗としてつるをカットした段階でも同じように消毒することでOKのようです。
沸騰しているわけでもない何とも微妙な温度なので、時間が長いと温度をキープするのが大変ですね。
そう考えると苗の植え付け前に消毒してしまうのが簡単かもしれないですね。
芽がついている部分をカットして育苗する
さつまいもは保管期間が長くなると芋から芽が出てきます。
秋に収穫してからダンボールの中で3ヶ月ほど保管していたので芋のはじっこからは芽が出てきていたので、ある程度の大きさでカットして1cmほど薄く水を張っておきました。
今はまだ1月の中旬ですので地植えするには寒すぎますし温室もないのでしばらくは水耕栽培でつるを育てていきます。
ちなみに、さつまいもはヒルガオ科ですので芽が出ても毒性はないため美味しく食べることができます。
すべてのヒルガオ科が毒性がないわけではないようなので一概に何科だからと大丈夫という判断はできませんが、少なくともさつまいもは芽が出ても食べて大丈夫です。
芽は上側から出やすく下からは出にくい
さつまいもの芽は土の中に埋まっている姿でいうと上側から出やすくなっています。
反対に根は下側から出やすくなっています。
一応芋にも上下の区別があるんですね!
なのでこの写真だと左側が上側ということになります。
何個か芽が出ているさつまいもがあったので見比べてみましたが上下両方から芽が出ているものはありませんでした。
ただ、芋を上下にカットした場合、カットした芋でも上下の区別があるようなので、結局のところ芽は上側から出やすいけど下からも出るということになるはず?
自分では試してみていないので何とも言えないですが、芽が芋の中央あたりから出ているものもあるので下側でなければどこからでも出てきそうな気がしてしまいます。
とりあえず、こんな感じで芽が出ているさつまいもは芽の出ている側をカットして、反対側は美味しくいただいてしまうのが効率的ですよ。
水耕栽培で育苗開始して1週間で葉が開いてきた
水耕栽培で種イモの育苗をはじめて1週間ほど経過すると芽はグンと大きくなって葉を広げてきました。
茎はさつまいもらしい赤い色をしているのに葉はきれいな緑色をしているのがかわいらしいですね。
品種をハッキリ覚えていないんですが、たしかこの芋はなると金時です。
そして茎が赤くて葉も赤いこちらは安納芋。
なると金時はさつまいもらしい赤色をしていますが、安納芋は少し色素の薄いお芋といった感じで、断面がオレンジ色をしているのが特徴です。
- なると金時:甘くてオーソドックスなさつまいもの味
- 安納芋:特徴的な果肉の色で甘みが強い
どちらも美味しいさつまいもですが、ふかし芋にして食べた時は安納芋の方が甘くて美味しかったので家族の中では美味しい方=安納芋という認識になってしまっています。
逆にさつまいもを食べている感じがしなかったのも安納芋の方だったので好みがわかれると思います。
甘さでいえば安納芋の方が強いので、天ぷらなんかにあうのはなると金時かな、と思います。
今年は安納芋だけでもいいかなーと思ってるけど、どうかな?
焼き芋だけで食べるわけじゃないんだし、なると金時もあった方が
家計には嬉しいわね。芽も出てるしどっちも育ててね!
目出しして1ヶ月:順調に葉が成長したので地植えに変更
目出ししてから1ヶ月ほど経過したさつまいもですが、順調に葉が成長しています。
水耕栽培で成長させるのも手間なので踏み込み温床の上に定植しました。
手前が安納芋、奥がなると金時です。
上手く成長してくれればいいですが、どうなるでしょうか?
【初心者でもできる】踏み込み温床の作り方と2月から始める夏野菜の育苗
定植して2ヶ月経過:さつまいもの葉が生い茂ってきたので苗取りする
定植して2ヶ月経過しました。
3月はじめに定植したころはまだまだ寒かったですが、5月に入って気温もグッと上がったおかげでワッサワッサに生い茂っています。
さつまいもの植え付けの頃合いになってきたので苗取していきます。
それにしても安納芋の赤い葉はすっかり区別がつかない状態になってしまいましたね。
さつまいもの茎を根元の方からカットする
茂った葉をかき分けて、茎の根本の芋から出ているところをカットします。
何回かにわけて苗取りをしたいのであれば何節か残してカットすれば脇芽がでてくるはずです。
今回は特に予定もないので根元の部分からカットしました。
適当に根元の方からチョキチョキやっていると10本ほどの苗が準備できました。
ホームセンターで売られているさつまいもの苗は少し萎れているものばかりですが、今回は取れたてほやほやなのでみずみずしいですね。
無事、さつまいもから苗作りまで完了させることができましたね!
さつまいもの苗を畝に3~4節ほど埋まるように斜め植えしていく
ここまでくればあとは植え付けるだけです。
さつまいもは痩せている土地でも育つので特に肥料を入れずに植え付けします。
奥にトウモロコシが植わっていますが、さつまいもはマメ科の植物と同じように栄養分を蓄えるのでコンパニオンプランツのような目的でもあります。
昨年は垂直植えを試しましたが収穫量はイマイチで、大きいもが多いわけでもなかったので今回は斜め植えにします。
まずは写真のように棒を斜めに差し込みます。
棒を引っこ抜いたら、できたスペースにさつまいもの苗を3~4節くらい土の中に埋まるように差し込めば完了です。
どんな野菜の苗の植え付けよりも簡単でした。
さつまいもの苗はかなり萎れてしまってもしぶとく根をつけてくれるので軽く水をあげて完了です。
仮に枯れてしまってもまた苗床から取ってくればいいので安心です。
あとは収穫までほったらかすだけ。
さつまいもはほとんど手がかからないので簡単ですね。
さつまいもから苗を作ろう
今回はさつまいもから苗を作る方法を紹介しました。
苗作りに使ったのは昨年収穫したさつまいもでしたが、購入したさつまいもからでも苗作りは始めることができます。
ただ、購入したさつまいもは収穫からそれほど日数はたっていないはずですので芽は出ていないと思います。
購入したさつまいもから苗を作る場合は、芋全体を使って芽出ししていくか芽が出るまで保存しておく方が確実ですね。
さつまいもの植え付けは5~6月頃なので苗作りからはじめる場合は3月くらいにははじめておきたいですね。
苗作りからはじめて収穫したさつまいもはより一層美味しく感じられるはずです。
興味のある方はぜひ試してみてください。
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