4月がやってきました。春の陽気が庭を包み、あっという間に畑がくさっぱらになってしまいました。
4月は夏野菜の種まきシーズンなので、初夏の収穫を見据えてせっせと種まきをしていきます。
夏野菜の定番のナス科のナス・トマト・ピーマンやウリ科のきゅうりやズッキーニ、キク科のレタスなども種まきのシーズンになります。
今回は、家庭菜園で4月に種まきする野菜に紹介していきます。
4月に種まきするナス科の野菜
4月に種まきするナス科野菜はこちらになります。
- ナス
- トマト
- ピーマン
ナス科といえばナスですし、トマトやピーマンもナス科の王道の野菜ですね。
トマトは9月頃には収穫が終わってしまいますが、ナスとピーマンについては霜が降りる時期まで長く収穫を続けることができるのでおすすめです。
ナスの種まき・育苗方法
ナスは18~24℃くらいが発芽に適した温度になります。
春先の4月だと、ナスの発芽適温よりは少し低いくらいの気温の地域が多いため、発芽を成功させるためには水で湿らせたキッチンペーパーにナスの種をまいてアルミホイルでくるんであげるのが比較的安定感のある発芽方法になります。
発芽まではおおよそ1週間となります。
無事ナスの種が発芽したら種まき用のポットや種まきトレイに培養土を入れ、種を浅く植えます。
水切れに注意しつつ、日当たりの良い場所で育苗しましょう。
ナスは温かい気候を好むため、育苗期間中は温度管理に注意し、寒波などで霜が当たらないように注意します。
本葉が3~4枚程度までナスの苗が生長して、霜の恐れがなく夜間の気温が摂氏10度以上になってきたら定植の目安になります。
ピーマンの種まき・育苗方法
ピーマンの発芽適温は20~30℃となっていますが、種の形がナスと似ていることから想像がつくかもしれませんが、種まきしてから発芽まで若干時間がかかります。
発芽適温も4月には若干高い温度なので、ナス・トマトと同じようにキッチンペーパーに種まきするのがおすすめです。
ピーマンが発芽したら育苗ポットに移植してあげ、水を切らさないように注意しながら日当たりの良い場所で育苗します。
葉の枚数が3~4枚程度まで成長し、15~25℃の気温になってきたら定植の目安になります。
写真は定植してしばらくたったものですが、ピーマンは定植してからもグングン大きくなるわけではなくゆっくりと成長していきます。
収穫期は長く続きますが、意外と収穫開始までは時間がかかるのでしっかりと温度管理・施肥を心掛けて生育をスピーディにしていきたいですね。
4月に種まきするウリ科の野菜
4月に種まきするウリ科野菜はこちらになります。
- きゅうり
- ズッキーニ
- レイシ
- スイカ
- メロン
ウリ科といばきゅうりですが、見た目の似ているレイシ(にがうり)だけでなくズッキーニもウリ科の野菜になります。
あと、忘れてはいけないのはスイカとメロンもウリ科の野菜ということ。
ツタを伸ばしていく系の夏野菜はだいたいウリ科と覚えておいてもらうとわかりやすいかもしれませんね。
きゅうり・レイシの種まき・育苗方法
きゅうり・レイシの発芽温度は20~30℃が適温となりますが、ナスやトマトよりも適当な温度管理でも発芽してくれるのが特徴です。
この差はなんなのか・・・種のサイズが大きいから?
若干発芽まで時間がかかることはありますが、きゅうりやレイシは直接育苗ポットに種まきしてもしっかりと発芽してくれます。
きゅうりの種は嫌光性種子なので種まきの際は2~3cmを目安にしっかりと覆土します。
きゅうりとレイシで比較すると、レイシの方が種が大きい分か発芽までの時間が長いですね。
きゅうりもレイシも直まきではなく、基本的には育苗ポッドに種まきして栽培をはじめますが、本葉が3~4枚程度になったら植え付けてもかまいません
ツル性の野菜のため、いつまでも育苗ポッドに残しておくと伸びあがっていく先がなくて周りの苗に絡みついていってしまいます。
個人的には早めに定植した方があとが楽な野菜ですね。
ズッキーニの種まき・育苗方法
ズッキーニも同じウリ科野菜で発芽温度は20~30℃ですが、あまり外気温は気にせずに種まきをしても育ってくれます。
ズッキーニもきゅうりと同じく嫌光性種子なので2~3cmを目安にしっかりと覆土が必要です。
ズッキーニは種が大きいので、気持ち少し深植えにしてあげると発芽前に浮いてきて土からこぼれ落ちる心配がありませんね。
16個サイズの育苗ポットだと割と早い段階で手狭な形になります。
ここから鉢上げしてもう少し育苗してもいいのですが、私はいつも面倒なので早めに定植してしまいます。
私の住んでいる九州では5月の連休明けには十分植え付けて気温になるので、私はちょっと気が早いくらいの4月中旬頃に定植してしまうことが多いですね。
ズッキーニは大株で茎もあっちこっちに暴れるので栽培間隔は広めがおすすめ。
ですが、株数はある程度ないと雌株と雄株のバランスが悪くて受粉できないケースが多いので要注意です。
1株ではかなり受粉に苦労すると思うので、家庭菜園ではがちょっとハードルが高いかもしれませんね。
スイカ・メロンの種まき・育苗方法
スイカやメロンは購入して食べた際に出てくる種から栽培をはじめることができる野菜です。
きゅうりも種が入っていたりしますが、まだ未熟な種なので発芽することはありません。
スイカやメロンは完熟した状態で売られているので種もしっかりと完熟しています。
さすがにスーパーにたくさん出回りだすような旬の時期から栽培をはじめても収穫までこぎつけられるかは怪しいですが、で出したばかりの頃であれば十分に収穫するチャンスはあるので試してみるのもおすすめですよ。
種まきはきゅうりやズッキーニと同じように育苗ポッドなどに種まきするだけでOK。
スイカ・メロンも嫌光性種子なので植え付け深さは2~3cmを目安に深植えしましょう。
食べた後の種でも発芽率はかなり高いのであんまりたくさん種まきしてしまうと植え付けるところがなくなってしまう恐れがあるので注意が必要です。
スイカ・メロンは本葉の数が3~4枚程度になったら定植目安になります。
気温は20~30℃程度まであがっていればOKですので、暖地では4月中旬頃から定植することができます。
栽培期間が長くなるほど収穫量もあげられる可能性があるのでスイカやメロンは早めに定植していきたいですが、家庭菜園だとスペースの問題で畝の空き待ちになったりもするのがネックですね。
4月に種まきするネバネバ野菜
夏場は葉物野菜が減るかわりにネバネバ野菜をたくさん栽培することができます。
4月に種まきすることができるネバネバ野菜は、
- オクラ
- モロヘイヤ
- ツルムラサキ
などがあります。
うちの家庭菜園で栽培しているのはこの3種類なので夏場のネバネバ野菜の種まきはすべて4月に終わらせることができます。
オクラはフタトガリコヤガの幼虫がでるようになってくると葉がボロボロになって収穫量が落ちてしまいますが、モロヘイヤやツルムラサキはとう立ちがはじまるまで長期間に渡って収穫が可能です。
ネバネバ野菜は栄養価が高いので夏場の食卓には欠かせないですよね。
オクラの種まき・育苗方法
オクラの発芽温度は18~30℃と発芽には少し高めの気温が必要となります。
種まきは4月からおこなえますが、4月下旬ごろから始める方がスムーズに発芽させられます。
また、オクラの種は硬いため発芽に時間がかかりやすいので、種まきの前に1番水を吸わせておくのがおすすめです。
まともな写真がなくてもうしわけないのですが、オクラの発芽条件には光は特に関係ありません。
嫌光性種子でも好光性種子でもありませんが、2cm程度の深さに種まきするようにします。
うちではオクラの本葉が2枚程度になったら定植をはじめます。
本当は本葉が4~5枚程度まで成長してから定植したいのですが、16個サイズの育苗ポッドに種まきするとそこまで成長することにはかなり狭くなってしまうため鉢上げしてあげないと生育が遅れてしまいます。
オクラはたくさん収穫したいので栽培数も多めに準備しているので、鉢上げが手間で手間で仕方がなく…結局早めに定植するようにしています。
オクラは生育スピードが早くすぐにサヤが硬くなってしまうため、ゆっくりと成長できるように2本仕立てにするのがおすすめです。
モロヘイヤの種まき・育苗方法
モロヘイヤは特に栄養価が高い夏野菜の印象がありますが、種にはストロファンチジン(Strophanthin)という強心配糖体が含まれていて、いわゆる植物性自然毒というものになります。
このため、モロヘイヤを種から栽培する際は注意が必要ですが、大きく成長して収穫をはじめる頃にはこの毒性分はなくなっているので問題ありません。
これまで紹介した野菜には健康被害の面での注意点はありませんが、モロヘイヤについてはしっかりとした知識を持って栽培する必要があるため注意ください。
モロヘイヤは20~30℃が発芽適温なので4月中旬以降には種まきが可能となります。
好光性種子なので覆土は浅くし、発芽までは水切れを起こさないように注意しましょう。
モロヘイヤは本葉の数が5~6枚になったら定植することができます。
これまで栽培した感触だと、初期生育はかなりゆっくりなので本葉5~6になるまでそこそこ時間がかかります。
好光性種子なので発芽させるのは難しい方の野菜になるので種まきは多めにした方がいいのですが、成長すると結構な大株になります。
このため、畝に直まきするよりも育苗ポッドで育ててから定植するのがおすすめではあるのですが、初期生育が緩慢なのがやはりネックで鉢上げしてあげないと肥料不足になっていないか不安になってきます。
このため、うちでは本葉の枚数が少なくても早めに畝に植えつけするようにしています。
株間は30cmくらいを目安にしましょう。
モロヘイヤは花が咲き始めるとまたストロファンチジン(Strophanthin)という強心配糖体を生成するようになるため、安全第一で花が咲き始めたら栽培を終了するようにしましょう。
花が咲き終わるとサヤができてきますが、この頃には毒性を示している可能性がかなり高いので間違っても食べてしまわないように注意しましょう。
ツルムラサキの種まき・育苗方法
ツルムラサキの発芽温度は20℃以上なので、4月初旬ではなく十分に気温が高くなってきた4月下旬頃が種まき時期になります。
霜には弱いので、お住まいの地域の気温にあわせて種まき時期を調整してください。
購入した種だと写真のような発芽促進のコーティングがされていますが、種取りしてみると普通の茶色なのでご安心を。
ツルムラサキの発芽には特に光の条件は影響しないようなので、2cm程度の深さを目安に種まきしましょう。
ツルムラサキの定植目安は葉の枚数が5枚ほどになった頃です。
ツルムラサキは成長してくると生育が旺盛になりますが、苗の頃はそんなに早くはないので定植目安まで待っていられないなら早植えしてしまってもいいかな、と思います。
1株でも長く収穫できるので、家庭菜園であれば種から育てなくても苗を買ってきてもいいかもしれません。
でも、ツルムラサキの苗ってあまり売っていないから、結局種から育てることになるかも?
ちなみに、ツルムラサキは緑茎と赤茎の2種類がありますが、赤茎は観賞用とも書かれていたりします。
茎は食べられるほど柔らかくなかったので、葉だけを楽しみました。
以前、緑茎を育てたときは茎まで食べられたので赤茎の特徴なのかどうなのかわかりません。
そもそも、種の袋には赤と緑の両方が入っているって書いてたのに発芽したのは全部赤茎だったんですよね…(笑)
モロヘイヤと同じように夏のネバネバ野菜として重宝するのでおすすめの野菜です。
夏野菜の準備は4月からはじめよう
今回は4月に種まきする野菜・植え付ける野菜を紹介しました。
4月は気温もしっかりと上がってくるので、ほとんどの夏野菜の種まきが始められます。
4月初旬はまだ霜が降りる可能性もあるので注意が必要ですが、九州では4月下旬頃にはほとんどの地域で霜のリスクはなくなります。
本州だとまだまだ気温は上がりきらない地域もあると思いますが、4月から積極的に種まきをして夏野菜の準備を始めるのが早めの収穫につながります。
みなさんもぜひ夏野菜の準備を種からはじめてみてください。
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