昨年から野菜の種からの実生に取り組んできましたが、今年はちょっとした苦労も経験して実生させる上でのポイントがわかってきました。
実生というのは野菜や果物などを種から発芽させて育てていくことをいいます。
野菜は苗を買って育てるものと思っている方もいるかもしれませんが種から育てることもできます。
もちろん、苗を買って育てるのに比べれば手間もかかるしうまく成長しないこともありますが、種から育てて収穫までできたときは結構うれしいものです。
そこで今回は食べた野菜の種から育てやすい野菜5選を紹介します。
まずは種を取るところからはじめる
大前提として野菜を種から育てる、つまり実生させるためには種が必要です。
しかも今回は実際に食べた野菜の種から実生させるので、まずは野菜を購入するところから始めます。
野菜を購入するといっても、購入した野菜を土に植えて栽培を再開することは葉ねぎくらいしかできないので購入した野菜に入っている種をそのまま使うことになります。
種が入っていればなんでもOKかというとそうではなく、十分に熟した種でなければ実生させることはできないことは覚えておいてください。
食べた種から育てることができる野菜5選
ということで、さっそく購入して美味しくいただきつつ、栽培用の種も採取することのできる野菜を5つ紹介します。
他にももっとあるかもしれませんが、手身近に手に入る野菜でまとめました。
- トマト
- パプリカ
- かぼちゃ
- スイカ
- メロン
スイカとメロンは野菜だけどどちらかというとデザートの部類になってはしまいますが、この5種類であれば問題なく種から育て始めることができます。
かぼちゃはチャレンジしたことはないですが、立派な種が入っているので問題なく発芽させることができるでしょう。
トマトの種の採取と発芽のさせ方
トマトは完熟したものから種を取れば簡単に実生させることができます。
完熟したトマトは普段から食べている赤色のトマトのことなので、買ってきたトマトを食べる前に種の部分を取り出すだけで種の採取は完了です。
トマトの断面はこんな感じですね。
緑色のゼリーのようなものに包まれているのが種の部分になります。
そこを取り出して、ザルに受けてきれいに洗い流すかゼリー状の部分をお皿かなにかにとっておいて腐らせてから洗い流すとゼリー部分を取り除くのが簡単です。
ちなみに、ゼリー状の部分は発芽抑制成分が含まれているので発芽チャレンジの際はしっかりと取り除く必要がありますので覚えておいてください。
トマトの発芽は水に浸したキッチンペーパーの上に並べるのが簡単です。
1週間もしないうちに発芽をはじめますし、発芽率もとても高いので簡単です。
発芽してある程度成長したらできるだけ早いうちに育苗ポットに移すのがおすすめです。
根はどんどん成長しますが、キッチンペーパーに絡みついてわけるのが大変になってしまいます。
最初から育苗ポットにまいてしまってもOKですが、春先の気温の低い頃にまく場合は発芽しにくいことも考えられます。
そんなときは室内で発芽させることが容易なキッチンペーパーへの種まきがおすすめです。
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パプリカの種の採取と発芽のさせ方
パプリカは赤や黄色、オレンジなどカラフルな印象があると思いますが、色づくまではピーマンと同じように緑色をしています。
ちょうど上の写真の真ん中にあるパプリカがうすい緑色ですが、ここから色づいていくところですね。
ちなみに、ピーマンも完熟するまで成長させると赤色になります。
つまり、パプリカは完熟するまで成長させたから色づいているんですね。
パプリカは完熟しているのでワタの部分についている種を取ってまけば芽が出ます。
トマトと違って種はワタにくっついているだけなので簡単に取ることができますね。
実生チャレンジをした際はキッチンペーパーではなく牛乳パックに浅くひいた土の上にまいてみました。
管理しやすければキッチンペーパーでも土まきでもどちらでもいいのですが、土撒きの場合は室内に置いているとコバエなんかが発生しやすくなります。
また、パプリカはトマトよりも発芽温度が高いので春先なんかはなかなか発芽しませんでした。
完熟させてこそパプリカらしい見た目になることを考えると、ピーマンよりもはるかに長い育成期間が必要になります。
このため、パプリカはできるだけ早い段階から育苗を始めておきたい野菜ですね。
個人的には春先は室内でキッチンペーパーに種まきして温度を高めに保っておくのがベターかな、と感じています。
発芽までこぎつけてしまえばあとはそれなりに成長してくれます。
ただ、やはり気温が低いと成長が止まってしまうのでビニールハウスのような温室状態を作ってあげて気温を高く保ってあげるのがベター。
夏場に種まきするとすくすく育ちますが、春先に種まきすると育苗に苦戦しますね。
かぼちゃの種の採取と発芽方法
かぼちゃは中に大きな種が入っていますよね。
私自身はかぼちゃの種から実生させたことはまだないのですが、かぼちゃは完熟した状態で売ってあるのでこの種からも発芽させることが可能です。
これはぺカボチャのズッキーニの種ですが、種の形としてはかぼちゃとほとんど同じです。
ちなみに、売っているズッキーニは熟したものではなく、若取りしたもので種は入っていませんのでご注意ください。
かぼちゃの種を取り出したら水につけてよい種と悪い種をわけます。
かぼちゃの種は水に浮くのがよい種となるようです。
理由はいくら調べてもよくわからないのですが、きれいに膨らんだ種にはちょっとだけ薄皮のようなものがついていて、そこに含まれる微量の空気で浮いているように見えました。
かぼちゃの種は大きいので育苗ポットにまく方が管理は簡単に思いますが、水に浸したキッチンペーパーに包んでおいても発芽します。
キッチンペーパーは種を発芽させるうえでの万能アイテムですね。
試しにズッキーニの種を発芽させてみたのが上の画像です。
かぼちゃも同じような要領で発芽させられますね。
スイカとメロンの種の採取と発芽のさせ方
スイカとメロンも完熟したものを食べるので中に入っている種をまけば実生させることができます。
よく、スイカの種を庭先に吐き捨てていたらスイカができた、なんて聞きますがアレは嘘じゃなくて普通に起こる話です。
スイカもメロンも種を取り出してよく洗ったら種取りは完了です。
シーズンの早い時期に購入したスイカやメロンなら食べた種をそのまま水に浸したキッチンペーパーで包んで発芽させれば収穫までこぎつけることができます。
ただし、スイカもメロンもとにかく枯れやすいので収穫したいなら多めに発芽させておくのがおすすめです。
うちの畑が粘土質で水はけがよくはないからかもしれませんが、スイカは本当によく枯れました。
スイカもメロンも発芽し手からの成長スピードが早いので、日光不足だとすぐに徒長します。
上の写真はめちゃくちゃ徒長しています。
この状態になると生育に悪影響しかないので発芽が確認出来たら日当たりも確保してあげてください。
メロンも種からこのサイズまで育てることができました。
追熟させないといけないのを忘れていたので残念な結果になりましたが、種からでもちゃんと育てることができるのは確認できましたね。
食べた野菜の種から野菜を育ててみよう
今回は食べた野菜の種から育てることができる野菜5選を紹介しました。
この5種類に限らず、完熟した実からとれる種であればどれでみ実生させることはできます。
野菜の場合は基本的には1シーズン限りなので種の発芽も簡単なものばかりです。
苗を買ってきて育てるのも楽しいですが、種から発芽させて収穫までできたときの喜びもなかなかのものです。
夏野菜のシーズンは終わりますが、今のうちに来年用の種を採取しておくのもアリですね。
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