春はアブラナ科の野菜が一斉に花を咲かせて一面黄色い花畑になります。
大根はアブラナ科ですが、黄色い花ではなく白や紫だったりするので一見、アブラナ科ではないような気がしてしまいますね。
大根も春はとう立ちの季節ですので、小松菜やハクサイなどよりは若干遅れて時期にはなりますがしっかりととう立ちします。
しかし、小松菜やハクサイとは違って大根は根を食べる野菜なのでとう立ちしてスが入ってしまうのを防ぐことが可能です。
ということで今回は大根をとう立ちさせずに畑で保存する方法を紹介します。
大根は低温でとう立ちが進み、高温を維持するととう立ちが止まる
大根は種子春化型の野菜で、種をまいたタイミングから低温に一定期間さらされることで花芽の形成が始まる春化が進みます。
春化=とう立ちと同じ意味です。
大根のとう立ちは12℃以下が条件なので、冬場は完全にとう立ち条件が揃ってしまいます。
その代わり、昼間の温度が高温になると脱春化が進むのが大根の特徴で、春まき大根であればマルチやトンネル掛けでとう立ちを予防することができます。
ただし、秋まきで冬場に時間をかけてゆっくりと成長してきた大根に関しては脱春化の作用は期待できないので、高温に保てばグングンとう立ちが進むだけになってしまいます。
脱春化ができるのは低温にさらされている時間が短い場合のみと覚えておきましょう。
冬を越した大根のとう立ち対策
ということで、ここからが今回の本題になります。
冬の寒い時期を畑で過ごした大根は春になって暖かくなってくると確実にとう立ちします。
とう立ちが進むとスが入ってしまってせっかくの大根がおいしくなくなってしまいます。
しかし、冬を無事越すことができた大根がとう立ちするのは防ぎようもないので、スが入らないようにして保存するには工夫が必要となります。
大根の生長点になる首の部分をカットする
大根の生長点は上の写真のちょうど包丁が入っている部分よりも上の部分です。
葉が出ている部分のすぐ下くらいが生長点になります。
ここをカットすれば大根側に生長点が残らないのでとう立ちしてスが入ってしまうことはありません。
大根の可食部は根の部分なので、生長点がなくなってもしばらくは水分を吸い上げるし、養分も吸い上げます。
光合成ができないので栄養を蓄えることができないだけと考えてください。
このままそれこそ夏を越すくらいまで保存するのは難しいですが、1ヶ月程度であれば保存が可能です。
断面もきれいな真っ白でみずみずしさがある大根ですね。
一冬越したにしては細い大根ですが味は良いと家族内で評判です。
種まきが遅かったことが原因ですが、大根は他のアブラナ科野菜に比べてとう立ちが遅いですし、少々種まきが遅れても十分食べられるサイズに育ってくれるのでいいですね。
逆にカブは種まきが遅れる十分に大きくならずにとう立ちが始まってしまうので、まき遅れに要注意ということがわかりました。
カットした大根の首は土に植え戻して種取りする
昨年もやりましたがあまり量が取れなくて結局種を購入することになったため、今年もカットした大根の首から上の部分を土に植え戻して種取りを行います。
- 大根の生長点から上をカットする
- カットした大根を土に植え戻す
- そのうちとう立ちして種ができる
大根の種取りは生長点から上の部分をカットしただけの大根でも簡単にできます。
極端な話、土に植えれば勝手にとうが立って種ができます。(笑)
植え戻してからしばらくは水分・養分を吸い上げる力が弱く、元々ついていた葉をキープできずに落としてしまう可能性が高いですが、そのうちしっかり新しい葉をつけてくれます。
ただ、その過程で養分を失う部分が大きいからだと思うのですが、種は思ったほど量が取れないかなと思っています。
首切り大根はほかにも何個か仕込んであるし、いざとなったら生長しきらなかった大根は種取り用にとう立ちさせるので大丈夫です。(笑)
春になったら大根は生長点をカットしてスが入らないようにしよう
今回は大根をとう立ちさせずに畑で保存する方法について紹介しました。
春は大根に限らずアブラナ科野菜全般のとう立ちシーズンです。
とう立ちの遅い種類の大根を栽培していても遅からずとう立ちしてしまうので、スが入っておいしく食べられなくなってしまいます。
生長点さえカットしてしまえばとう立ちしようがなくなるので1ヶ月程度の期限付きではありますが安心して畑に保存することが可能です。
みなさんもぜひ試してみてください。
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