ことわざでは桃栗三年柿八年 柚子の大馬鹿十八年といわれるくらい有名ですが、実際のところどれくらいで実をつけるようになるのか調べてみても案外3年というのは的を得ていそうだな、と思って桃の種から実生を試みて早3年たちました。
発芽から3年目、定植してから1年たった今年の桃は花芽っぽいのをつけている気がするな、と思ってみていたのですが、3月に入って暖かくなってくると今にも開花しそうなつぼみがいくつか発見できました。
ということで今回は、桃栗3年は本当だった?発芽から3年で花が咲いた桃の栽培方法について紹介します。
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花芽がついたということは3年目の今年から桃の収穫のチャンスあり
写真の撮り方が下手すぎてピントがあっていませんが、こちらがまだピンクがかってもいないころの桃の花芽になります。
葉芽との違いは先端が丸みを帯びているかで簡単に区別が可能です。
- 桃の花芽:先端が丸みを帯びていて、少し白みがかっている(上の写真中央の芽を部分参照)
- 桃の葉芽:先端が尖っていて黒っぽい(上の写真真ん中右側の芽を参照)
花芽がつけば当然花が咲きます。
桃は自家受粉する自家結実性の果物ですので、花芽を付けた時点で今年は桃を収穫することができる大チャンスということになります。
すべての桃が自家結実性ではないので要注意
桃は自家結実性の果物ですが、すべての桃が自家結実性を示すわけではなく、一部の桃は花粉が不十分で人工授粉してあげないと結果しません。
ちなみに、発芽してから3年で花芽をつけてくれた我が家の桃は…なんだったか種類を覚えていません。(汗)
- 白鳳:自家結実性〇
- 白桃:自家結実性×
- あかつき:自家結実性〇
桃の種類で有名どころはだいたいこの3種類です。
〇〇白鳳とか〇〇白桃とか白鳳/白桃の系列の種類はたくさんありますが、白桃系列の桃であれば自家結実はしないので残念ながら受粉木が必要になります。
パッとみ、白鳳系と白桃系は50%:50%くらいの栽培割合に見えるので白鳳系であることを祈りつつ今年は様子見してみます。
開花した桃の花を観察してみる
つぼみが大きくなってきているな、と気づいて数日後、いつものように仕事終わりですっかり暗くなってから帰宅したときにつぼみを見てみるといつのまにか開花していました。
桃は白桃系を除けば自家結実性を示すということは、トマトやナスなどのように桃の花の中にめしべとおしべが存在しているはずです。
ということで明るい時間帯に撮影したのが上の写真です。
めしべを取り囲むようにおしべが並んでいます。
パッと見はわかりにくいですが、めしべの柱という部分が真ん中にあって、これにおしべの花粉がつけば無事受粉完了となります。
白桃系は自家結実性を示しませんが、これは自家不和合性(じかふわごうせい)といって自分自身の花粉では受粉が成立しないから実ができないのではなく、花粉がないもしくはとても少ないことが原因です。
正しく表現するなら白桃系も自家結実性はもっているものの花粉が少ない・ないことが理由で実ができないだけということですね。
上の写真を見る限りはおしべは黄色い花粉をしっかりとつけているので白桃系ではなかったように見えます。
あとは時間が経てばわかりますね!
花芽が多い場合はつぼみの段階で摘蕾(てきらい)する
今年開花した桃の花は全部で8つだったので、摘蕾(てきらい)は必要ありませんでした。
ただし、花芽が多すぎると摘蕾が必要です。
摘蕾が必要な理由はだいたいこんな感じです。
- 花芽は貯蔵した養分を使って成長する
- 花をたくさんつけると養分がよい実がならず、樹勢も弱る
- 葉が養分を作るので枝の先端の花芽は摘む
桜は花が先に咲いて葉はあとから伸びてくるものが多いですが、桃の場合は花が咲く頃には葉も伸びてきています。
上の方の写真でも花の後ろに葉が伸び始めているのがわかりますね。
基本的には花芽は貯蔵していた栄養分を使って成長するので、花芽が多いと貯蔵栄養分をどんどん使っていくことになって実が充実しないばかりか樹勢も弱っていくことになります。
花芽が多いほど収穫量も増えることになるので欲張りたい気分になりますが、そこは長い目で見て調整するようにしましょう。
あとは枝の先端に花芽がつくケースはそのまま開花させてしまうと先端で養分を食ってしまうような形になるので枝が充実しません。
枝には養分をしっかり届けてあげたいので枝の先端についた花芽は摘蕾しておきましょう。
花が散って実が成りはじめました
結局、今年咲いた花は8つくらいのもので、雨が降るとあっという間に散ってしまいました。
きれいな花でしたので、来年はもっとたくさんの花芽をつけてくれることを期待しています。
そして、昨日観察していると…実をつけています!
まだ小さいですがちゃんと桃が成ることが確認できたので白桃系ではなかったということになります。
1本で結実することがわかったので、今年の収穫も来年以降の収穫もとても楽しみになりました。
さらに20日経過:実がグッと大きくなり梅くらいのサイズに成長
花が散ってからは葉の成長がすごくて、なかなか実を探すのが大変になってきました。
葉と枝をかき分けて探してみると…ありました。
順調に成長しているようで、サイズ感としては梅と同じくらいになりました。
調べてみるとそろそろ袋がけをして病害虫から守ってあげる必要があるようですが、白桃は無袋栽培が主流のようです。
さらに袋がけをすると甘味は袋なしよりも落ちてしまうそうです。
その分、見た目や割れなどから保護できているのメリット・デメリットをわかった上で使い分けすればよさそう。
ということで、今年はこのまま袋なしで栽培してみようと思います。
完熟待ちの間に強風で落果したけれど、無事収穫できました
途中経過をもっと写真をとっておけばよかったのですが、すっかり忘れたまま大きく成長していた桃。
完熟してから収穫を・・・と思っていた矢先の強風に吹かれて落果しているのを発見しました。
気づくのが1日ほど遅れた影響で若干変色してしまっていますが、ここまで来たら食べるしかありません。
ちなみに、サイズ感としては購入した桃とそれほど変わらないくらいです。
無事、自家結果することができたので白鳳系の桃だったと考えられるのですが、色は黄桃のように黄色でした。
交雑した種から栽培した桃なので、左側の購入してきた桃のようなピンク色の親の性質は受け継いでいないようですね。
こちらが実際にカットしてみた桃の果実ですが、やはり見た目は黄桃に近いです。
味はしっかり桃の味。黄桃は果肉が硬めのようですが、3年かけて収穫までこぎつけた実生苗の桃の果実はやわらかくてとても甘いです。
手塩にかけて育てたこともコミコミの評価になっている気がしないでもないですが、市販の桃に負けないくらいおいしい桃でした。
桃は発芽してから3年で収穫できます
我が家の桃が発芽したのは2年前の春ですが、3年目の春を迎えると無事花芽をつけて開花することができました。
今年開花した花は少なかったですが、無事実をつけているのを確認できたので一安心です。
3年目で収穫できた桃はわずかに1つだけでしたが、4年目はもっと花芽も多くなると思いますのでたくさんの桃を味わうことができると期待しています。
柑橘系は成長がゆっくりですが、バラ科の桃・ナシ・リンゴは成長が早いので数年大切に育てるとおいしい果実をお届けしてもらえるかもしれませんね。
みなさんもぜひ試してみてください。
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