みかんは甘くておいしいですが、ちょっと酸味が強くてグレープフルーツに近い味の甘夏や晩柑などもとてもおいしいですよね。
みかんに比べると日持ちもしていく分リーズナブルなのでたくさん食べやすいのもメリットですが、とにかく種が多いですよね。
そうなると試してみたくなるのが種から育てることですね。(すでにこのくだりはご理解いただけているかと・・・)
甘夏や晩柑はひと手間必要ですが、種から育てることができます。
今回は発芽も簡単!みかんを種から育てる方法を紹介します。
甘夏などは種も多いので手軽にチャレンジできます。
みかん(甘夏・晩柑・グレープフルーツ)の種を集める
まずはみかん・甘夏・晩柑などの柑橘類の種を集めます。
みかん(温州みかん)に比べると甘夏や晩柑は種が多いので集めるのは簡単ですね。
みかんの種の発芽率は良好なので1個分の種があればたくさん発芽させることができます。
体感では6~70%は発芽していますね。
みかんの種の薄皮をむく
次に集めたみかんの種の薄皮をむきます。
上の画像の左側が薄皮がついている状態の種、右側が薄皮をむいた状態の種です。
ミカンの種はヌルヌルしていますが、これはペクチンという物質のせいです。
ペクチンとは、リンゴの搾滓やレモン、グレープフルーツ、ライム、オレンジなどの柑橘類の皮を原料とするもので、1825年にフランスのJ.Bracconotが発見したものです。
ギリシャ語の“pectos”(固い、硬直)に由来する言葉から「ペクチン」と命名されました。
植物の細胞壁に存在するペクチンは、水を多量に吸い、細胞をつなぎ合わせるセメントの役目を果たします。
食品開発ラボさんのペクチンに関する説明を参照すると、「水を多量に吸い、細胞をつなぎ合わせるセメントの役目を果たす」とのこと。
他のサイトさんだとゲル化剤という表現もあり、ジャム作りで重宝されている物質のようです。
残念なことに、このペクチンには発芽抑制物質が含まれているようなので、みかんの種から育てるためには不要な物質となります。
ペクチンを取り除くには、
- 1~2日水につけて洗い流す
- 種の薄皮をむく
などの方法がありますが、経験上ではペクチンだけではなく薄皮が残っていると発芽までの時間が長くなる印象があります。
水につけて洗い流さなくても、はじめからみかんの種の薄皮をむいて発芽させることができます。
発芽促進のために集めた種の薄皮をむいてしまいましょう。
キッチンペーパーに水を含ませてみかんの種をまく
ここからはこれまで紹介したトマトの実生やキウイの実生と同じように、水で湿らしたキッチンペーパーの上に薄皮をはいだ種をまいていきます。
上の画像はピンクグレープフルーツの種ですが、不完全な種ばかりでしたので薄皮のままでまいています。
ちゃんとした種は3個だけでしたが薄皮をむいて2日後に芽が出だしていました。
種がかなり熟れていたことがみかんの種(ピンクグレープフルーツ)の発芽が早かった要因だと考えています。
これまでの経験上は薄皮をむいてキッチンペーパーの上にまいても、1~3週間くらいかけて発芽しています。
みかんの発芽率は6割くらいの印象ですが、いっせいに発芽するわけではなく早いものもあればなかなか発芽しないものもありました。
かなりバラツキがありますので気長に待ちましょう。
みかんの発芽後の育ち方
みかんの種から発芽させた株は、発芽後2ヶ月程度経過したものから発芽した直後のものまでありますが、少しだけ経過報告できそうなのでまとめておきます。
発芽過程がわかるとちょっとワクワクしてしまうので、試してみてくなるはずですよ。
発芽直後のみかんの苗
こちらは発芽直後のみかんの種です。
にょろにょろと根が出てきていますね。
1本だけ長いものがありますが、こちらで2週間くらいでしょうか?
野菜の種に比べると果樹の苗は成長がゆっくりなので、しばらくの間はキッチンペーパーの上でも育てることができます。
種の状態をしっかりと把握することができるのがキッチンペーパーで発芽させる際のメリットですね。
みかん発芽後1ヶ月経過-双葉がでてきました
こちらは発芽後1ヶ月くらいのみかんの苗です。
最初のころは薄皮をはいだ部分の殻?がなかなか取れず、根っこだけ伸びる時期が続きますが、ゆっくりと時間をかけて双葉をつけるようになります。
根はまっすぐに伸びるので、これくらいのサイズ感でも育苗ポットの下に着くくらいまで伸びているはずです。
みかん発芽後2ヶ月経過-すくすくと成長しています
こちらは発芽後2ヶ月ほど経過したみかんの苗ですが、だいぶ葉も増えてきました。
これくらいになってくると草じゃなくて木なんだな、とわかるようになってきます。
根の状態がどんな感じになっているのか見てみたいですが、1番の成長苗なのでグッとこらえておきます。
ちなみに、ゆくゆくは庭植えの予定なので育苗ポットで育てています。
発芽してからはグングン根が伸びるので、プランターに適当に種をまいて発芽させてしまったみかんの苗は根が絡んでしまって鉢植えや地植えする際に根をばらすのに困りました。
このため、ある程度の大きさになるまではポット植えにしておくのがベターでしょう。
アゲハチョウの幼虫がみかんの葉を食い荒らしています
あっちこっちにまいたみかんの種から気づかない間に発芽していたものがあったのですが、気づけば葉っぱがなくて茎だけの状態になっているものもありました。
写真の手前側がその茎だけの状態です。
そして、よく見ると写真左上のところにいますね、犯人が。
アゲハチョウの幼虫がむしゃむしゃと食い散らかしていました。
こちらはアゲハチョウの卵。
葉っぱの部分に丸い卵が1つ付いています。
アゲハチョウに恨みはありませんが、あれだけの食事をまかなえるほどの葉はありませんので今年は撤退していただきました。
本当に、アゲハチョウの幼虫は食欲が旺盛で、少しでも葉があれば容赦なく散乱していくため葉はいつでも食い散らかされています。
発芽したての若い苗は葉も柔らかいのでアゲハチョウにとっても格好の餌ということなんでしょうね・・・。
みかん(甘夏・晩柑・グレープフルーツ)は種から育てることができます
今回はみかん(甘夏・晩柑・グレープフルーツ)を種から育てる方法を紹介しました。
みかんは実がなるまで4~5年といわれていますが、これはホームセンターなどで購入できる挿し木などである程度大きなサイズまで育ったもののになります。
みかんの種から発芽させた苗木で4~5年経過したものもありますが、未だにアゲハチョウに葉を食い散らかされている影響もあってそれほど大きくは成長できていません。
みかんの種から発芽させて育てる場合は根気が必要だとわかりましたが、成長過程をじっくり観察することもできます。
興味がある方はぜひ試してみてください。
コメント
ベランダに、ヘンルーダの低木を栽培して、アゲハ蝶が産卵するようになりました。十匹が成長して最終齢になり、蛹を確認できたのが8匹。
これまで、五羽が羽化しました。
ただ、あらかた葉を食い尽くされたので、別に柑橘類の植物を栽培しようかと考えています。
それで、夏ミカンを食べたら、種子が残りますので、この投稿を参考に発芽させようと思いました。
ぐりぐりももんが様
コメントいただきありがとうございます。
木が小さいうちにアゲハ蝶が産卵すると葉を食べつくされてしまうのが難点ですね。
ミカンの実は発芽率がとても良いので試されてください。