ブロッコリーは花蕾を収穫して食べる野菜ですので秋の葉物野菜の中でも少し特殊な部類となります。
収穫までの期間もほかの葉物野菜と比べると長く、花蕾がこぶし大まで成長してようやくの収穫となります。
また、ブロッコリーはアブラナ科の野菜なので夏の暑さが残る間は管理が面倒でもあります。
そこで今回はブロッコリーの栽培方法とコンパニオンプランツとして混植したい野菜について紹介します。
ブロッコリーは摘み取り栽培できるので筋蒔きではなく育苗ポットで育てる
ブロッコリーの収穫は主に、
- 頂花蕾
- 側枝花蕾
の2つになります。
真ん中に見える大きな花蕾が頂花蕾で下に見える少し小さな花蕾が側枝花蕾となります。
頂き=頂上部分にできる花蕾と脇芽としてできる側枝の花蕾の2つを収穫しますが、頂花蕾が1度しか収穫できないのに対して側枝花蕾は何度でも繰り返し収穫することが可能です。
収穫期はとても長く、とう立ちして花が咲き始めてもしばらくは収穫を楽しむことができます。
間引き菜も楽しみながら収穫していく小松菜やチンゲンサイとは違い、1つの株を丁寧に育てていくのがブロッコリーの栽培方法となります。
種まきから始める場合は筋蒔きではなく育苗ポッドで栽培をスタートしましょう。
本葉が4~5枚になってきたら防虫対策を施して定植する
ブロッコリーは本葉が4~5枚程度まで成長してから定植します。
このあたりのイメージはしやすいのかなと思いますが、秋栽培を行う場合の注意点は定植タイミングはまだ夏の暑さが残っていて虫食い被害がかなりひどいことです。
特にアブラナ科の野菜はヨトウムシやカメムシからの食害がひどく、植えても植えても食べられてしまいます。
農薬をまいて防虫処理するのも1つの手段ですが、家庭菜園で栽培するのであればできる限り無農薬で育てたいですよね。
夏の暑さが残る8月~9月にブロッコリーを定植する場合は虫食い対策としてネットを張るようにしましょう。
10月以降の涼しくなった時期に定植するのもおすすめ
秋栽培のブロッコリーは8~9月に定植してから脇芽収穫を続けるのであれば春先まで収穫を続けることができます。
栽培収穫量は落ちてしまいますが、栽培期間が長いので定植が遅れても収穫を楽しむことが可能です。
このため、家庭菜園で防虫対策が難しいのであれば育苗ポッドで長めに育てて、涼しくなってきた10月のはじめに定植するのもおすすめです。
この時期になれば虫たちも夏場ほど活発ではありませんのでネットなしでも栽培が可能となります。
- ほかの野菜と一緒に小さな防虫ネットを張って育苗する
- 涼しくなってきたら防虫ネットをせずに定植する
秋野菜としてブロッコリーのほかのハクサイなどの葉物野菜を栽培されている場合は防虫対策として小さな防虫ネットを張って育苗していたり、育苗ケースの中で育てていたりするはずです。
上の写真は春先の簡易ビニールハウスですがこれくらいの小さな防虫ネットの中で育苗をすると楽ですし、市販の育苗ケースも秋野菜の準備にはとても役立ちます。
収穫時期は少し後ろに倒れてしまうこと、収穫量も少し落ちてしまうことにはなりますが防虫対策がとても簡単になる10月以降の涼しい時期のブロッコリーの定植でも問題なく収穫することができます。
選択肢の1つとして考えてみてくださいね。
ブロッコリーの株元スペースを利用してコンパニオンプランツを植え付ける
ブロッコリーは1株が大きく育ちますが、背が高くなるので株元は比較的すっきりした状態での栽培となります。
また、ブロッコリーはアブラナ科の野菜ですのでどうしても虫食い被害が多くなりやすいため、ブロッコリーだけで栽培するよりもコンパニオンプランツも一緒に植え付けることでうまく防虫対策をしましょう。
ブロッコリーのコンパニオンプランツ
- レタス・シュンギクなどのキク科野菜
- ニンジン・パセリなどのセリ科野菜
- アカザ科のホウレンソウなど
レタスやシュンギクなどのキク科野菜やニンジン・パセリなどのセリ科野菜は害虫忌避効果があるのでブロッコリーの虫食い被害を抑えるコンパニオンプランツとしておすすめです。
ホウレンソウはどちらかというとブロッコリーのコンパニオンプランツではなくホウレンソウにとってのコンパニオンプランツがブロッコリーになります。
ホウレンソウの生育が良くなり、害虫忌避効果も期待できます。
食害などをもたらす害虫はたいてい好みの野菜が決まっていますが、隣り合って栽培されている場合はお互いに寄り付かなくなります。
つまり、単一種類しか栽培していない畝では害虫被害は発生しやすく、複数種類の野菜を栽培している畝では害虫のテリトリーが被ってしまう結果、害虫が寄り付きにくく被害が減少する効果があります。
秋の葉物野菜は特に食害が多くなるのでコンパニオンプランツの栽培は効果的です。
今回はブロッコリーの株元スペースを利用してニンジンとホウレンソウを栽培しますが、いい感じに育ってくれそうですね。
コンパニオンプランツは日当たりに気を付ける
コンパニオンプランツを一緒に植えることはメインの野菜を元気に育てるための方法としておすすめですが、どうせならコンパニオンプランツも元気に育てたいですよね。
1株が大きく育つブロッコリーのような野菜に対してコンパニオンプランツを植え付ける場合は、どうしても株元の野菜の日当たりが悪くなりがちです。
日当たりが悪くて生育不良を起こしてしまうとガッカリしてしまうので、
- 日当たりを考慮してコンパニオンプランツを選ぶ
- 日当たりが悪くても元気に成長するコンパニオンプランツを選ぶ
などの配慮は必要です。
今回だとニンジンは日当たりが悪くて生育不良になる可能性があるかな、と思います。
ホウレンソウは西側にくるようにしたので基本的に日照不足になるおそれは少なそうです。
どちらの方角から日が上がって、家の陰になりやすかったりなど障害物の有無を確認しておいてから植え付け位置を決めることでコンパニオンプランツまでしっかりと育てることができます。
ブロッコリーをコンパニオンプランツと一緒に育てよう
今回はブロッコリーの栽培方法とコンパニオンプランツの紹介をしました。
ブロッコリーは頂花蕾の収穫後も側枝花蕾の収穫が楽しめて収穫量も多く、収穫期間も長いのでとてもおすすめの野菜です。
ただし、アブラナ科の野菜なので夏の暑さの残る8~9月の間は害虫被害が多くとても育てにくい時期があります。
防虫対策は必須ですが、定植時期をあえて涼しくなり始めた10月初旬あたりにズラすことで防虫対策を簡単にすることも可能です。
ハクサイのように定植が遅れると結球しないようなこともなく、少々遅れてもしっかりと収穫することができるので選択肢としてはアリかな、と思います。
コンパニオンプランツで定植後の害虫被害対策も行うことができるので混植はしっかりと行っていきたいところ。
ブロッコリーの栽培をされる際の参考にしてみてください。
コメント