家庭菜園を楽しんでいる方の悩みの種は雑草の処理だと思います。
畝を作って黒マルチまでかけている家庭菜園の方はどれくらいいるんでしょうかね?
たしかに雑草対策としては優秀ですし、春先の地温が上がりにくい頃なんかは黒マルチの保温効果は成長促進にもつながります。
でも、正直なところ黒マルチを張るのは手間がかかるし、もちろんコストもかかりますよね。
そんなときにおすすめしたいのが黒マルチの代わりに雑草を畝にかけておく草マルチです。
土壌改良にもつながるのでとてもおすすめです。
ということで今回は黒マルチの代わりに草マルチで覆うことでフカフカの土に変える方法を紹介します。
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草マルチってどんなもの?
まずは草マルチの説明です。
黒マルチは黒いマルチングのことをいいますが、草マルチは黒いマルチを草に置き換えて畝を覆うことをいいます。
上の写真はピーマンの畝ですが、株元の畝はまったく見えず、草で覆われています。
枯れた部分は周りの雑草を刈り取って、というか引きちぎって畝の上に被せたもので、緑色の部分はたんに雑草が生えている部分です。
黒マルチをすることで雑草が生えるのを防ぐ効果がありますが、草マルチも畝に光が当たらなくなるので黒マルチと同じように雑草が生えるのを防ぐ効果があります。
草マルチをおすすめする理由は5つ
雑草を防ぐ目的であれば黒マルチをしてしまえば確実ですが、草マルチには黒マルチにはないメリットもあります。
黒マルチではなく草マルチをおすすめする理由は5つあります。
- 黒マルチの手間・費用を削減する
- 雑草が生えるのを防ぐ
- 雑草が分解されて畝の養分になる
- 適度な水分量に調整できる
- 土が硬く締まるのを防ぎ、団粒化が期待できる
①については単に手間やコストの話なので人によっては気にならない問題かもしれません。
しかし、②~⑤は畑にとってはプラスに働く草マルチのメリットとなります。
管理して育てていく畑が限られている家庭菜園だからこそ草マルチはおすすめだと思いますね。
草マルチのメリット① 黒マルチの手間・費用を削減する
草マルチのメリットは黒マルチを敷きこむ手間がないこと、そして黒マルチがいらない分の費用節約になることです。
黒マルチは使いまわそうと思えば何回か使えるので費用面ではそれほど気にはならないかもしれませんね。
しかし、黒マルチを利用するのであれば畝の上にマルチをかけて、マルチが飛んで行かないようにピン打ち、土かけが必要となるのでなかなかに手間です。
黒マルチの場合は畝に苗を植えられる状態にするまでの手間がかなりかかることがデメリットです。
一方、草マルチは畝や周りに生えている雑草を刈り取って畝の上にしきつめるだけなので、草マルチは黒マルチに比べると施工が簡単なのがメリットですね。
草マルチは引き抜いたり、刈り取ったりした雑草をしきつめるだけだから簡単です。
その代わり、草マルチしても雑草が生えるのを100%は防ぐことはできないので
黒マルチに比べると施工後の手間はかかるわね。
草マルチのメリット② 雑草が生えるのを防ぐ
草マルチをすることで畝の上は雑草でしきつめられることになります。
このため、畝の上には日光が当たりにくくなるので雑草の発芽を防止する効果があります。
もちろん、嫌光性種子も中にはあるでしょうから雑草の発芽を100%防ぐことは不可能ですが、草マルチなしでむき出しの畝に比べるとはるかに雑草の量が減ります。
上の写真は草マルチをしてから時間がたっているので若干雑草が多いですが、緑色の雑草があるのは畝の周りで枯れた草が積まれているのが畝の上になります。
畝に雑草が生えると雑草に養分を取られてしまうため野菜の生育が悪くなるから除草します。
野菜の生育に影響が出るほど雑草をはびこらせることはないと思いますが、畝の養分を使っているのは確かなので生育への影響も確実にありますね。
生えすぎると困る雑草を刈り取ったり引っこ抜いたりしたものを畝の上にしきつめるだけで次の雑草が生えてきにくくなるので、草マルチをするだけで草抜きにかかる手間はかなり抑えることができます。
草マルチのメリット③ 雑草が分解されて畝の養分になる
草マルチでしきつめた雑草は畝の上で微生物やダンゴムシなどに食べられて分解されていきます。
雑草の持っていた窒素分などの養分はこの分解の過程で畝に戻っていきます。
この雑草の持っていた養分というのは成長するために畝から吸い上げていたものですので、分解されて畝に戻ることでリセットされていくと考えてください。
養分が100%リサイクルされるわけではありませんが、除草した雑草を捨ててしまうと養分は減っていく一方ですが、草マルチを利用することで養分のリサイクルができるメリットがあります。
ただ、黒マルチで雑草が生えてこないようにしてしまうことで養分のロスを減らすことができると考えれば、草マルチで養分をリサイクルするのは黒マルチと同じことをしているとも考えられますね。
少なくとも、畝と畝の間に生えた雑草もリサイクルしていると考えれば草マルチの方がメリットは大きいでしょう。
草マルチのメリット④ 適度な水分量に調整できる
草マルチをすることで日光が直接畝に当たることはなくなるので畝から水分が蒸発するスピードを抑えることができます。
また、雨が降った際は草マルチでワンクッションしてから畝に水分が届くか、そのままはじかれて畔(あぜ,畝と畝の間のこと)に落ちてしまいます。
このため雨が降った分がそのまま畝の水分に変わるわけではありません。
つまり、草マルチをすることで畝の乾燥と加湿をマイルドにするメリットがあります。
株が順調に育っている間は加湿を防ぐことで根腐れ予防にもつながりますし、種を直播きした場合は感想を防止して発芽しやすい環境を整えてくれます。
ただし、草マルチは遮光性もあるので好光種子(こうけんせい)の場合は厚い草マルチは好ましくありませんので注意しましょう。
草マルチのメリット⑤ 土が硬く締まるのを防ぎ、団粒化が期待できる
畝が裸の場合は雨が降るたびに土が締まって硬くなっていきますが、草マルチをしていれば直接雨が当たらないので土が硬く締まることはありません。
メリット③で草マルチは分解されて養分になるとお伝えしましたが、草マルチをすることで土中の微生物の活動が活発になります。
つまり、雨によって土が硬く締まるのを防ぎつつ、土中の微生物を活性化して土をふかふかの団粒構造に変えていくメリットが期待できます。
黒マルチは雨が直接当たるのを防ぐので団粒構造の維持はできますが、草マルチは黒マルチに比べるとしきつめた雑草の分だけ有機質が多くなるため、土はふかふかになりやすくなります。
上の写真のような土であれば最高なんでしょうが、さすがに草マルチだけではこんな有機物たっぷりの土は無理ですかね。
我が家の畑は粘土質で、ずっと放置されていたためとにかく土が硬くて野菜の栽培には適していませんでした。
しかし、イチから家庭菜園としてはじめるために腐葉土やもみ殻、牛糞たい肥などをガッツリと入れて少しでも土壌改良をしようとしました。
でも、草マルチのメリットに気づいたのは夏野菜も収穫開始しようかというタイミングでした。すべての畝に草マルチをする余裕はなかったので裸の畝と草マルチした畝とに分かれる形に。
そして、1年目の夏が終わって畝を耕してみると裸の畝も草マルチをして畝もかなり土が柔らかくなっていました。
有機質をガッツリ入れ込んだ効果はあったのですが、草マルチをした畝ではさらに土がフカフカに変わっていました。
もちろん草マルチにはデメリットもある
いいことばかりのように見える草マルチですが、もちろんデメリットもあります。
メリットとデメリットどちらを優先するかは個人次第ですので「やっぱり私には草マルチは合わないな」と感じられれば自分好みを選ぶのがベターですね。
草マルチのデメリット① 虫が多くなる
草マルチの最大のデメリットは虫が多くなることです。
- ダンゴムシ
- ミミズ
- カタツムリ
ダンゴムシは枯れた草などを食べて分解してくれますが、苗の新芽を食べたりもしますので100%益虫とはいえません。
日当たりが悪くてジメジメした場所が好きなので草マルチの下にはダンゴムシが集まってくることが多いですね。
ミミズは土をフカフカに変えてくれるので畑にとっては益虫といえます。
草マルチをすると畑に有機物を加えることと同じですので、有機物の分解者であるミミズを増やすことにもつながります。
カタツムリは深刻な食害をもたらす害虫です。ナメクジも同じですね。
カタツムリはまだいいんですが、ナメクジは見た目もグロテスクで苦手な方が多いと思います。
草マルチをするとこういった虫を増やす原因になってしまうので、虫が苦手な方には絶対におすすめできません。
そんなに苦手ではない方でもダンゴムシが大量発生してしまうと抵抗感を感じるかもしれません。
草マルチは畑にとってプラスに作用しますが虫を増やす原因にもなるので覚えておきましょう。
草マルチのデメリット② 畑に雑草がたくさん生えてしまう
草マルチして雑草が生えにくくしているのになんで畑に雑草が増えてしまうのか疑問に思われる方もいるかもしれません。
草マルチは畝と畝の間の畦道(あぜみち)に生えた草を刈ったり抜いたりしたものを畝の上にかけて使います。
時間がたつと分解されてなくなってしまうので草マルチは減ったら足していくことになります。
つまり、草マルチするために雑草を生やしてしまうことに繋がりやすいワケですね。
上の写真なんかはまさにその例で、畝の上は草マルチで雑草は生えていませんが、畦道は雑草がたくさん生えています。
雑草に畝の養分を取られるわけでもなく、野菜の生育に悪影響を与えるわけでもないので問題ないのですが、見た目は雑草だらけの畑になってしまいます。
きれいに整理された畑も多いので、自分の畑が雑草だらけだとなんだかだらしないようにも見えるし、作業もしにくいですよね。
どちらかというと見た目の問題ではありますが、草マルチをするようになるとついつい雑草を生やしてしまうことが多くなるのがデメリットになります。
土の質は時間をかけてゆっくりと変わっていく
上の写真ははじめて起こした畝の土ですが、石も多くフカフカと呼ぶにはまだまだな状態です。
牛糞たい肥をたっぷり入れて、しっかり耕したあとなので粘土質な感じは薄れていますが、ここのところ雨が少ないおかげでもあります。
こんな状態でも草マルチをして雨ざらしを防いであげることで、土が硬くしまるのを防ぎつつ微生物の力で少しずつ土の質が変わっていきます。
石ころは地道に取り除く必要がありますが、土の改良は虫や微生物がやってくれるので私たちは環境を整えてあげればOKなんですね。
シーズンが変わって畝を耕すことがあれば質の変化に気づくことができるはずです。
1年目より2年目はフカフカした土に変わっていて、ミミズも以前よりは多く見かけるようになっていきます。
草マルチで土をフカフカにしよう
今回は草マルチに焦点を当ててメリット・デメリットを紹介しました。
黒マルチはシートをかけて飛ばないように土もかけて固定するなどマルチングをする際に手間がかかります。
その点、草マルチは畦道などに生えている草を刈って畝の上にしきつめるだけでいいのでとても簡単です。
虫や微生物にしきつめた草が分解されることで土の団粒化も進んでフカフカの土に変わりやすくなるのもメリットです。
強いてデメリットをあげるなら、虫が増えることと草マルチ用に雑草を生やしてしまうことにもなるので畑に生える草の割合が多くなり、見た目がよくないことくらい。
雑草を生やすのは野菜の生育に影響が出ると思って全部抜く方もいると思いますが、雑草を全部抜いていたら途方もなく手がかかりますね。
それなら草マルチで畝の上には雑草が生えないようにしてしまうのが1番楽チンだと思います。
草マルチは土の団粒化も促進してくれるので私個人としてはかなりおすすめです。
ぜひ試してみてください!
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