寒さも和らいで春のポカポカ陽気が嬉しい季節になりました。
春は出会いと別れの季節ですが、芽吹きの季節でもありますね。
我が家は果物大好き(主に私ですが…)なので、自宅で採れた果物が食べられたらいいなぁ、と考えだしたのが2020年の春ごろ。
そこから食べた種を採取しては冷蔵庫で保存して、ついにこの春の季節を迎えました。
ということで、休眠打破の終了した果物の種たちの実生プログラムを開始します。
柑橘類は休眠打破しなくても芽が出ることがあります。昨年実施済みの甘夏・晩柑の実生方法はこちら
【初心者でもできる】ミカン(甘夏・晩柑・グレープフルーツ)の種から育てる実生方法
【実生プログラム】休眠打破が必要な果物たちでチャレンジ
今回の実生プログラムは休眠打破が必要な果物でのチャレンジとなります。
休眠打破とは?
休眠状態にある種子・冬芽・球根などが、ある特定の刺激を受けたのち、活動状態になること。サクラの開花には、冬期に一定期間低温にさらされる必要があることが知られる。
参照 >goo辞書
なんとなくわかるような、わからないような文章ですが、一般的に果物や野菜の種は完熟した後に休眠状態になります。
たとえば、ブドウなどの夏場の果物が完熟して地面に落ちたとします。
落ちてしばらくして秋ごろに発芽したとすると、1~2ヶ月後には寒い冬がやってきますがまだ発芽してから時間がたっていないので十分に成長できていません。
その十分に成長できていない状態で冬に突入しても冬の寒さを耐え忍ぶことができずに枯れてしまいます。
枯れるのは最悪のケースですよね?
だから、種は完熟した後にいったん休眠状態に入って冬の寒い時期をやりすごします。
そして、温かくなってくると休眠を終了して発芽モードに入ることになります。
休眠打破は冷蔵庫の中などで擬似的に冬の寒さを経験させた後に取り出して発芽させることをいいます。
まぁ、我が家の種はずっと冷蔵庫にいただけなので、休眠打破させたというよりは冷蔵庫の中で冬を越しただけですがね。(笑)
寒い時期に発芽させて温度管理していくより楽だからいいのよ。
休眠打破して実生にチャレンジするのは、
- ゴールデンキウイ
- イチゴ
- リンゴ(トキ)
- ナシ(秀麗)
- ブドウ(ハニービーナス)
の5種類。
桃の種もストックしているんですが、桃の種は保管方法が違ったのでまた別でまとめます。
休眠打破するために1日水に浸ける
冷蔵庫で冷やすなりして休眠状態を作ってあげたあとは水をあげて休眠状態から覚ましてあげる必要があります。
これを休眠打破というわけですが、まずは水に1日浸けてあげるところから始めます。
果物に限らず、植物にとって水は命の源です。
まぁ、これは私たちヒトも同じですが、長らく休眠状態にあった種を活動状態に移すために水に浸けてあげる必要があります。
ただし、何日も続けて水に浸けてしまうと窒息してしまうため、1日経ったら水からあげるようにしましょう。
長く水に浸していればいいというわけではなく、適度に浸してあげないと休眠打破ではなく種そのものを痛めてしまうことになるので要注意です。
好光性種子と嫌光性種子に分けて土に植えていく
種には好光性種子(こうこうせい)と嫌光性種子(けんこうせい)の2種類があります。
読んで字のごとく、光=太陽光を好むか好まないかの違いがあって、発芽条件に大きく影響してきます。
好光性種子(こうこうせいしゅし)
発芽に光が必要な種のこと。種まきの際は覆土(ふくど)が必要ではなく、土の上にパラパラとまいてあげるだけでよい。
嫌光性種子(けんこうせいしゅし)
発芽に光が不要な種のこと。種まきの際は覆土(ふくど)して光が当たらないようにしてあげます。種が小さければ覆土も薄く、種が大きければ少し厚めに覆土します。種のサイズの2倍程度が目安となるようです。
私のイメージでは植物の種をまく際に土をかけないことなんてほとんどなかったのですが、土をかけてしまうと発芽を抑制してしまう好光性種子というものがあるのは意外でした。
これからは植物を実生させてみたいと考えている方は、その植物の種が好光性種子と嫌光性種子のどちらなのかを調べてから種まきをするようにしましょう。
好光性種子のイチゴは土の上に直播するかキッチンペーパーの上で水やりする
イチゴは好光性種子なので土の上にばらまいて定期的に水やりをして発芽させます。
好光性種子はキッチンペーパーの上で管理すると発芽状況がわかり易いメリットもあります。
上の写真は以前、イチゴを食べるタイミングで種を採取して、そのままキッチンペーパーの上で水やりを続けた際に発芽したもの。
休眠打破をさせていなかったので「いつになったら発芽するんだろ?」と思って2ヶ月くらい気長に水をあげていたら発芽しました。
休眠打破をした場合はどれくらいで発芽するのかわかりませんが、休眠打破していない場合はかなり気長に水やりを続ける必要があります。
イチゴは種が小さいので発芽したばかりの苗も非常に小さいです。
少しの乾燥でもすぐに萎れてしまいますし、キッチンペーパーから土に移植する際に枯れさせてしまったこともあります。
イチゴは発芽後も管理が難しい種類の種だと思います。
土の上に直播してもいいですが、見失ってしまいそうなのと土に埋もれてしまいそうで不安ですね。
今回はどうしようかね?
嫌光性種子のキウイ・リンゴ・ナシ・ブドウは軽く覆土して水やりする
キウイ・リンゴ・ナシ・ブドウはいずれも嫌光性種子のようです。
「ようです」と書いたのはいくら検索しても好光性なのか嫌光性なのか明確に記載されたものを見つけることができず、過去に実生にトライされた方のブログなどで「種まき時に覆土しているかどうか」で判断しました。
この4種類は品質を丸々コピーする目的から挿し木で増やしていくために実生に関する記事があまり見当たらないんですね。
種のサイズの2倍くらいを目安に覆土して水やりをしていきます。
- キウイ・ブドウ:つる性落葉低木
- リンゴ・ナシ:落葉高木樹
なので順調に育ったとしてもリンゴとナシについてはかなり樹高が高くなる種類なので、しっかりと管理しながら育てないと大変なことになりそうですね。
リンゴは種まき前に発芽しました
リンゴの種は水に1日浸して、ちょっと忙しかったので土に種まきするまで1週間ほど水を吸わせたキッチンペーパーの上で待機してもらっていたのですが、その間になんと発芽していました。
こちらは発芽前の種ですが、数えてみると10個ありますね。
種まき前ですでに6割と超優秀な発芽率となりましたよ。
休眠打破したリンゴの種からの実生方法はこちらにまとめています。
休眠打破させて果物を種からを実生させよう
今回は昨年食べた果実から採取した種を冷蔵庫に保存して休眠させ、暖かくなってきた春に種まきをして実生させてみました。
果物の種は食べてすぐにまいても休眠状態に入っているためすぐには発芽しません。
休眠は寒い冬の季節を乗り切るための防衛措置のようなものなので、冷蔵庫で数ヶ月間保管してあげることで休眠から覚ます、つまり休眠打破することが可能です。
思いついてすぐに実行に移せるわけではないのが残念ですが、今年は気になる果物の種を取っておいて来年の種まきに向けて冷蔵庫で保管してみたらいかがでしょうか?
【種全般に使える】桃の種を冷蔵庫の中で休眠打破&発芽させる方法
【初心者でもできる】ヘタを挿し木してパイナップルを育てる方法
コメント